ロボット プログラミング 科学教育 岡山市

21世紀に生きる子供たちに伝えておくべきことは

公教育と明確に違った体験型学習(Active learning)を実現するのが私の願いです。未来の創り手となる子ども達に何を準備しなくてはならないのか。児童期の多様性を尊重し、Scientific literacy(科学の論理展開力)の育成を目指します。

局面の打開は科学・技術であり、「人の志」だ。

3月はまた、多くの修了生との別れでもある。私の担当する「プログラミング教室」は、当塾の中でも、5~6年通ってくれた子供が多数を占める。いわば、スコラ生え抜きの最終コースでもある。


8年前に「コンピューターテクノロジー」と呼ばれた技術革新は、いま「データサイエンス」と呼ばれる。最終授業では、アメリカの動画を見てこの8年の進化を確認した後、22年度「高校情報Ⅰ」との関連を説明し、演習してきた内容を振り返る。また、AI機械学習と絡めて数学の「行列」「確率」の重要性の理解を促した。常日頃、とめどない好奇心と意欲を喚起する演習を心掛けている。


パンデミックと金融収縮により世界は委縮し、格差による悲劇は増幅されている。国際社会は秩序を失いつつあるかに見える。しかし、一方で明るい兆しも見え隠れする。「科学・技術」と「志」である。


世界の医療従事者は、人類の敵との最前線に身を置き、医療崩壊の阻止と社会基盤の維持に奮闘している。社会がその姿を尊敬し、称賛を惜しまない。同時に、ワクチン開発でもウィルス自体を使わずに、遺伝子操作での試みが進んでいる。実現すると安全なワクチンが早期に確保される。


3Dプリンターを使った防毒マスクの生産も開始される。型枠などの工程を省略することで最速の準備期間で生産が可能になる。AIを支援する中央演算処理は多様化し、この5年で30万倍の進化を遂げた。かつて、CPUだけで「ムーアの法則」といわれた限界を超えた。国内でも「光」回路を使って、省エネルギーのCPU回路が研究されている。スマホも1年で一回の充電で済む日が近づく。新薬開発への量子コンピューターの活用も期待される。


巣立つ子供たちに、21世紀における「科学・技術」と「志」の重要性を伝えたい。前世紀に信頼を得たものが、多く賞味期限を迎え瓦解する。特に今回のコロナと世界恐慌の後には、それが加速する。確実と信頼されたものが、崩壊する。だから、最終演習に力がこもる。


保護者から、「子供が一番喜んで通いました」との声に、演習準備で起こした腰の痛みも和らぐ思いがする別れの日であった。

激動に耐え、活躍する乱世の人材を育成しよう

新型コロナのパンデミックは加速する。GDPから大きく離反し膨張した金融債権は、CLOを中心としたリスク債権として暴発寸前の領域にある。原油価格の暴落は、この引き金になりうる。


各国中央銀行は、金融緩和しかすべがなく、球は出尽くした。しかも金融バブルを増幅している。まぎれもない「危機」である。


非常時の「米国国債」や「円」が売られる、かつてない異常な状況だ。現金しか、ドルしか信用できない。


消費増税とオリンピック延期、パンデミックと金融収縮、さらにサプライチェーンの停滞と断絶。私事ではあるが、関わる企業の年度末を前にした人材難などなど。公私ともに激動する。


雇用はより急速に流動化し、競争はドミナント化する。AI人材や高度人材は、より高給をとり自律する。一方、普通に横並びで進むサラリーマンには多くの困難が待ち受ける。


この21世紀こそ、次代を担う若者に「乱世の能力」を教育すべきだ。混乱の中で集中力を増し、事態を把握し好奇心を持って主体的に活動できる。そんな人間に育てなくてはならない。