日本の周りは危険がいっぱい
G20を前後して、国際関係の議論が活発になっている。中国の成長が急激に低下している。国家債務の膨張と外貨の国外逃避に手を焼いているそうだ。さすがの精鋭官僚群もこれ以上の延命は困難なのだろうか?
一方、直近の火薬庫なのが韓国だ。左巻きの経済政策は破綻し、大量の失業と通貨の信任不安に見舞われている。中国製品が韓国の主力商品(造船・自動車)を駆逐している。加えて中国市場の減速で輸出は下がる一方だ。韓国政府に当事者意識は低い。
アメリカのトランプ大統領が、日米安全保障条約の破棄を匂わせている。交渉カードとしてのブラフだろうが、それにしても合衆国大統領の発言だ。英仏を含めた自由主義圏の連携といった旧来の価値と、中国やインドの新興国の市場にすり寄る個別利害とがせめぎあい、どこでどうなるか分からない不安定さが際立つ。ロシアや北朝鮮も我流を押し通す。
戦後70年以上の間穏やかに営んできた日本外交そのものが、また命がけの修羅場へと回帰する可能性がある。憲法改正や軍事研究のテーマも議論が必要だ。核の問題も避けて通れない。最悪の事態を考えておく必要があるからだ。「何でもあり」が今のアメリカだ。
戦後の続いた平和な日々は、冷戦下での特異な憲法とともに担保された。その間経済の復興に集中してきた我が国も、現在の極東において一国観念主義は通用しなくなった。あまりにも周りの国が物騒だ。海に隔てられていることが唯一の救いだ。