一時代を築いた者の苦悩 日本とかぶるニコン
日本光学ニコンが苦しんでいる。我々の世代では世界一の光学機械メーカーだ。カメラから宇宙望遠鏡に至るまで日本の光学機器は世界を制覇した。だが、今や市場はミラーレスがキーワードだ。
従来の技術に固執し、アップルのiPadの後塵を拝した、かつてのSONY
世界の亀山品質にかけて、行き場を失った、かつてのシャープ
一時代を築き世界を席巻した分、「パラダイムの転換」は難事業だ。
誠実で勤勉・実直な人間ほど、無意識のうちに崩れ落ちるフレームを守ろうとしてしまう。失われたものは、儚く美しい。私も組織で多くの事例を見てきた。
幕末で言うところの松平容保だ。
会津白虎隊はあまりに有名。「もう少し時がゆるやかであったなら」と小椋佳も歌う。とにかく泣ける。とことん泣ける。
「演繹と帰納」思考の二大手法だ。膨大なビッグデータから共通する要素を抽出し、その法則性を見出し、新しい価値の体系を築く。データサイエンティストはこの典型的な手法として機械学習を駆使する。原理から展開する演繹的思考を補完してくれる。時代や技術や社会や人間をすべてデータとして捉え、新たな地平を仮説構築できるタフな人材を21世紀は望んでいる。
20世紀の残骸である私は、会津をこよなく愛する。しかし、21世紀に生きる塾生諸君は、「演繹と帰納」のバランスに精進して欲しい。