日産・ルノーの争いは報道する価値があるのか疑問
日産・ルノー・クライスラー・フィアットなど20世紀の偉大な企業だ。しかし、今や21世紀。世界の自動車市場も新興国ですら停滞する時が来た。
新車販売やメインテナンスで利益を得ることは、各国の環境規制や安全規制の高度化でより困難を極める。規模が利益を保証しない時代に突入した。貿易戦争でサプライチェーンも流動化し、効率を追求しづらくなる。
一人で生きていけない企業が、束になって世界1位の販売台数を誇っても自滅する市場環境だ。シェアリングサービスやデータサービスに業態転換しないと高収益は望めないし、このままだとGoogle・Amazonなどに隷属する組立下請け企業となり果てる。
「指導者を失った日産」 「フランス政府の子会社ルノー」「合併しかできないFCA」この3グループが統合して内輪もめする内容だ。そこに21世紀は見えてこない。
停滞した会社で、有能な役員はリスクを踏み失脚する。無傷の何もしない者が生き残る。彼らは姑息に主導権を握るすべしか持っていない。ビジョンはそこに無い。社員が一番気の毒だ。一日も早く転職を考えたほうが得策かもしれない。よくある話ではある。
自動車産業は、業界の垣根を失い、内燃機関は一部に限定され、移動サービスの企業群に再編成される。激烈なイノベーションが待ち受ける。従って、現在の報道内容は意味がない「夕刊フジ」が扱うのもためらう程度のものだと思う。読むのも聞くのも飽きた。マスコミは常に楽なネタを追う。