優位から脱落し続ける日本 司令塔が思考停止か?
半導体・液晶パネル・有機ELに続いてリチュームイオン電池でも首位を奪われた。創世期はトップを走るも、市場が拡大した成熟期は脱落するパターンだ。
量子コンピューターでもモデルの理論値までは優位を保つが、実用化では米国・カナダに抜かれた。次の話題は、「個体電池」だ。「EV」だけではなく「FCV」にも、さらには「再生エネルギーの効率利用」や「スマートシティー構想」にも欠かせない技術だ。AIでは米国・中国にもはや届かない。自動運転もトヨタ軸の国際連合が唯一の参加者だ。
矛盾したままの原子力政策や不確定な廃炉計画。さらに核燃料の再処理の破綻など機能と思考が停止したままの通産省エネルギー政策。日本の科学技術はだいじょうぶか?
国策民営と言われる民間だよりは、時として便利ではあったが、大きな問題には不向きだ。科学技術の競争は、国家が生死をかけて国策を遂行する時代に逆戻りしつつある。敗戦後の日本のように政府は総力戦で臨むべきではないか。高度成長の端緒を切り開いた東京オリンピックは1964年。2020年が同じく再生と覚醒の年になるよう願ってやまない。
21世紀に生きる子たちに、科学技術への憧憬を育む機会と環境を創出する努力は惜しんではなるまい。これは国家だけの努力では無理だ。外国人労働者や観光客の受け入れですら地方の民間が中心となって確実に拡大・進化しているのだから。