名こそ惜しけれ
「仰げば尊し」という歌曲は、かつて卒業式の定番でした。「身を立て、名をあげ、やよ励めよ」とあります。しかし、戦後民主教育はこれを排除してきました。戦中・戦前の全否定の結果です。近代日本の国家的発展を支えた精神構造のルーツを坂東武者に求めた司馬遼太郎は、現在の日本精神の後退を嘆いていいると思います。真の国際化に耐え得る日本精神とは?戦後の「民主化」が見失ったものです。
「名こそ惜しけれ」
はずかしいことをするな、という坂東武者の精神は、後の日本の非貴族階級につよい影響をあたえ、いまも一部のすがすがしい日本人の中で生きている。『この国のかたち』より