ラグビー日本代表に日本の目指すべき姿を見た
スコットランド戦は、果敢な前半の攻めと、鉄壁な守りの後半戦と見ごたえ十分な試合だった。アジアの国が、伝統国で占められてきた8強の一角を奪取した。歴史的な快挙だ。
これまで定型的だった日本ラグビーの戦術を、創作的な戦術を加えながら強化したのがジェイミー・ジョセフHCだ。具体化への道のりは険しかった。海外での3年間の遠征でも成果はなかなか出なかった。
国際色豊かなダイバーシティー・マネージメントの組織編制。豊富になった海外での戦歴。それをまとめ上げた繊細で日本的なリーチマイケル主将など。各人の個性が躍動していた。30年間先進国で断トツ最低の成長率に喘ぐ日本社会にとって、仰ぎ見るような姿である。
ラグビー日本代表の雄姿に、21世紀に成長すべき日本の戦術として学ぶべきものがあると感じた。創造的なイノベーションと日本古来の精神性の融和だ。すべて今の日本社会が失ってしまったものだ。国際化へ大きく舵を切る端緒を開いたミスターラグビー平尾誠二氏も彼の世で喜んでいるだろう。彼のオーラはすごかった。