安倍首相の思い付きに再度揺らぐ岡山
非常事態宣言の全国一律は唐突であった。2月27日の全国一律休校発表と同じ違和感がある。2月27日は、まず中国や海外からの入・帰国を完全制限すべきだった。国内の田舎の小中学区のみ移動する子供は、三次感染者だ。要所を欠くパフォーマンスに映る。安倍周辺の思い付きだった。専門家会議では議題にも挙がっていないからだ。
今回、首都圏や京阪神などクラスターが多発し、感染経路が不明な陽性者の激増に医療崩壊が現実味を帯びた地域は、非常事態宣言も遅きに失したといえる。だが、クラスターも起きていない岡山県などに一律「非常事態宣言」を、しかも、中途半端な期間で唐突に発するのは、違和感を禁じ得ない。なぜか?
「安倍のマスク」「SNSでのコラボ動画」「PCR検査拡大への厚労省医系技官の抵抗」に加えて、財務省主導「30万非課税世帯案」への党内・与党内の反発だ。公明党は閣外への離脱をちらつかせたとか。側近政治の瓦解である。そこで、この変節を隠ぺいするために「非常事態宣言全国一律」が方便として緊急に側近から提案され、それに便乗したと多くの報道がなされた。
PCR検査拡大への、厚労省技官幹部の抵抗。現金一律配布への財務省の抵抗。市井の国民が生活と健康に怯え、生業を放棄せざる負えない国難の時に、前例踏襲のポンコツ官僚の軍門に下る政治家などいないほうがましだ。
保守の中の保守を自認する私だが、安倍官邸の迷走には呆れかえる。
自ら2度上げた消費税をもとの暫定5%に戻すべきだ。日本経済を根底から弱体化させただけの7年間となる。歴史は判定するだろう。
文責 岡田健司