読解力の低下をめぐる 日本の問題点
OECDのPISA検査で、「数学リテラシー」「科学リテラシー」は上位を維持したにもかかわらず、「読解力」で15位に甘んじた単一言語社会の日本。出題形式から日本の問題点が浮かび上がった。
出題は、大学教授の「ブログ」・「本の書評」・「科学雑誌」の記事の3つの異なる文章を読み比べ、島から大木が消滅した原因について、資料から根拠をあげて記述するよう求めている。しかし、日本の学校では、教科書を使って機械的に回答を導き出す方法を教えていくというのが一般的。物語一辺倒の教科書や試験問題も指摘される。比較や検証とは程遠いと言える。
また、「コンピュータを使って宿題をする」「学校の勉強のためにインターネットのサイトを見る」といった勉強にデジタル機器を利用するという生徒は3~6%程度でほとんど活用していないことがわかった。OECD平均は20%程度。
北欧のように、スマホから情報を得て試験に臨むといった環境が無い。日本の生徒は、チャットやゲームといった閉鎖的な活用が主流を占めている現状が浮かび上がる。情報リテラシーを育んで、広く知識をネットから吸収し、その正当性を検証するといった国際標準の知育から逸脱している。
物語に偏った教科書や試験。さらに、情報機材を使った回答作成などが欠落しているといえる。即座に解決できる問題だ。