高専の存在感が拡大 スタートアップ企業で
従来から工学系の人材育成では定評があった工業高等専門学校ではあるが、IOTの浸透と人工知能の応用で、多くの学生が突出した成果を上げだした。
OBが代表を務めるスタートアップ企業の中には、全国の高専生をSNSで結んでスカウトし、ITの梁山泊と化している企業も出てきた。東京大学大学院情報学環などへシステムを開発し納入した実績もあるそうだ。
岡山県にも津山高専がある。近くの高松高専はAIコンペでも名をはせている。工学や化学の基礎を身に着けた上に、機械学習などの高度情報処理技能を備えた精鋭たちが集うのは頼もしい。高専生の強みは、問題が起こったとき自力で計測器を手作りし、その原因を突き止めたりする現場能力が高いとされている。通常の学部卒とは一味違うらしい。
上司部下の関係ではなく、ミッションを共有する専門家集団としてチーム開発ができる基盤を作れば、地方でも十分世界と戦える。逆に地方に特化した課題を、世界に横展開することも可能となる。大学院や大企業との協業も期待される。
イノベーションの母体は、多様な知性の組織化であろう。
21世紀の日本社会を牽引するくらいに成長して欲しいと願う。