大学教授の副業 もっと広げるべき
技術開発の国際間競争は激しさを加速する。企業は大学の教授・准教授などの研究者を雇用しだした。しかも、2千~3千万円といった年収でだ。それに加えて研究開発費だ。
日本には基礎研究で、優秀な芽があるとノーベル賞受賞者は声をそろえる。だが、それが育つ環境が疲弊している。
文科省の集中助成金は、高名な実績のある人に限られる。もっと目立たない「芽」にチャンスが与えられたらイノベーションの原動力となろう。さらに、企業環境で活躍する人材が、大学の研究環境を開放的なものに変えてくれると学部や院の学生にとっても朗報となる。あまりに閉鎖的だ。会議や学会発表だけでは、活発な融合や爆発は起こらない。
昔から、実学を軽んじ「知の孤立」を尊ぶ「教義的な教養主義」が蔓延していた大学に、やっと風が吹き込むようになる。企業は国際化し、以前よりはずいぶん洗練されてきた。大学も変わる時だ。21世紀に生き残るためにも避けて通れない過程だ。さらに、相互不信を打ち破り、特許の持ち合いの方法など新たなアプロ―チも模索すべきだ。