苦節18年「みずほ銀行の次世代システム」遂に完成 だが
旧富士と旧第一勧業と旧興銀の合併後、3つシステムが共存し幾度と障害が起こっていた「みずほファイナンシャルG」の管理システムが、サービスを再開した。2000年初頭に構想し、18年を費やし、4,500億円の大事業だ。月に数十万人のシステムエンジニアが従事し、国内の他ユーザーは迷惑したとのことだ。
これで、システム障害のリスクは減り、スマホなどへの対応も可能になるとのこと。「めでたしめでたし」と言いたいとこだが、しかし。
このフィンテックに突入する21世紀。4,500億円と18年を費やして、ATMのサービスは従来通りだわ、何も変わっていない。障害リスクがなくなっただけだ。スマホサービスもまだソフトがない。20世紀の香りが漂う、昭和都銀物語だ。ATMはもうすぐお荷物となる。支店も無くなる。窓口は消えてゆく。
一方、米国フェースブックはスマホ運用資産「リブラ」を発表した。世界24億人を加入者として保持する企業が、ブロックチェーンを駆使し、主要通貨とのリンクも可能にした金融決済システムを開発したのだ。新興国の中央銀行を乗っ取るくらいの構想力だ。これにはさすがに、アメリカFRBやEU中央銀行も警戒感を隠さない。世界の銀行だけではなく中央銀行の機能すら危機に瀕する可能性があるからだ。G7中央銀行総裁会議は身構える。
逆に言えば、世界を支配しかねない構想力ともいえる。第四の産業革命は、恐ろしい勢いで動き出した。しかも、発想や構想のスケールと次元が違う。苦節18年3連休にATMを止めて、数十万人が汗したシステムも色あせて見える。敗戦まじか戦艦大和と武蔵を建造した帝国海軍のような哀しさを感じるのはなぜか?空母機動部隊を世界で初めて創設した誇り高き日本帝国海軍は、最後無策の巨艦主義に終わった。忘れもしない日本の歴史だ。