デジタルリテラシーが問われる人材難 セブンペイ
キャッシュレス化はデジタル社会とともに拡大する。中国や先進諸国の比率は高い。日本は大きく水をあけられている。(私も消極的な昭和現金派だ。若い時の方がカードをよく使った。海外への出張が多かったからかもしれない。)
私自身、セブン&アイHDとの付き合いは長い。伊藤会長などは、私が担当する展示会などに昔はよく来られた。気さくな方だった。鈴木敏文氏の異能経営で新境地を切り開いたが、今やフランチャイズの運用やドミナント戦略の原理主義化で多くの問題を露呈してしまっている。
早くから金融決済サービスに着手し、セブン銀行の創世期には金融界から逸材がトップに招聘された。NO2の常務も、昔私がお世話になった金融界出身の懐の広い方だった。
しかし、この度のセブンペイ不正利用問題で記者会見した当該会社社長の姿は絶望的だった。記者に「アカウント登録時の二段階認証にかんして・・・」と問われ、思わず視線が宙を舞い、「にだんかいにんしょう・・・????」と絶句してしまった。
イトーヨーカドーを母体に拡大したグループなので、もともと生え抜きの人材は層が薄い。しかし、せめてデータエコノミーを担う戦略的な子会社の社長くらいまともな人材を配置しないと日本の流通業自体が停滞してしまう。消費者の落胆は想像を超える。
アメリカの10年前の動画に「ロックスターになるにも医者になるにもプログラミングは必要だ」とあった。現にその通りの世の中になった。ITリテラシーの基礎教養を幼い時から身に着けないと、「真面目一筋」で社長になっても修羅場を見ることになる。