ロボット プログラミング 科学教育 岡山市

21世紀に生きる子供たちに伝えておくべきことは

公教育と明確に違った体験型学習(Active learning)を実現するのが私の願いです。未来の創り手となる子ども達に何を準備しなくてはならないのか。児童期の多様性を尊重し、Scientific literacy(科学の論理展開力)の育成を目指します。

NHKの終戦記念日報道に共感する

昨年のインパール作戦に続き、ノモンハン事件が今年のテーマだった。戦後73年。この時間軸は、明治維新と日米開戦との間隔と同じだ。確かに遠のいた。


しかし、101歳の元陸軍兵士が「人間を玉のように扱う軍上層部に対する怒り」を訴える。昨年のインパール作戦の96歳の生存兵と同じやり場のない怨嗟だ。時を超えて消えることはない事実だ。「なぜこのような愚かなことを日本は国家として遂行しえたのか?」この問いかけは、太平洋戦争史の取材中、あまりの酷さに途中で筆を折った司馬遼太郎につながる。


当時の関東軍参謀本部は、「精鋭」の参謀たちが主導権を持っていた。将官に仕え出世したエリート達だ。血気盛んなプライドの高い彼らを、将官たちは情実をもって処遇した。従って、声高に威勢よく鼓舞するものが評価された。時として、昭和天皇の統帥権すら軽んじられた。しかも、精神主義の彼らは情報収集を怠り、ソ連の機甲部隊の優位を無視し、その情報も退けた。「己を知らず、敵も知らない」盲目の中枢組織だ。


結果、5万有余と機甲師団を持つソ連軍に2万有余の歩兵中心の日本軍は壊滅的打撃を受ける。2万人の将兵が戦死した。しかも、自決者が続出する惨状であったとある。敵の戦車に火炎瓶で突撃する内容の無謀な作戦だ。塹壕では火炎放射で焼き尽くされたとある。
ソ連兵の死傷者も2万とあり、日本兵は終戦後アメリカの軍事専門家も評価する奮闘ではあった。


無責任と情実にまみれた陸軍上層部に責任を明確にする者はなく、彼らは後の日米開戦を主導し、ほぼ全ての人間が戦後生き延びた。そしてアメリカの調査にも淡々と答え、責任を回避している。録音テープの会話は聞くに堪えない。しかも、現場の士官は自決を強要されていた。また、国内の市民は沖縄などで自決していたのだ。


イデオロギーや情緒的な反戦は20世紀に終焉し、史実に立脚した構造的な検証が21世紀の教養となる。子供たちは明日に生きる現代史を学ぶべきと考える。二度と日本人がこのような無残な死を迎えることがない様に。NHKの報道姿勢を支持する。

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