「読む解く」能力です。
他者の意見を聞き、相互の利害を認め、論理的に社会の課題を人々に訴え解決する能力。これは世界標準のリーダーの資質です。
「読む解く」の実習は、読みっぱなしを防ぎ、論旨に沿った語彙の類推も可能にします。すべての科目の基盤的能力です。作文表現能力もこの良質なインプット過程を無視しては成り立ちません。
就学前から小学生の時に、確実に身に着けておくと、将来の学ぶ姿勢を強く支えてくれると同時に、将来の社会人としての品質を保証します。
殺人の容疑者は、千葉県野田市教育委員会に乗り込み、娘の同意書を持参したとし「暴力を受けているアンケート(実名入り)」の開示要求を執拗に行った。一方、学校は娘の保護のため頑なに拒んだ。当然だ。アンケートには秘匿を約束している。裁判に訴えるとの執拗な要求に屈し、コピーを手渡した教育委員会は、殺人の「ほう助」ともいえる。
日本の教育委員会の生まれも育ちも「形式」の一語に尽きる。日本軍国教育を骨抜きにするためにGHQが主導したのだが、目的が政治的で不純だし、内容がない。本来改正されてあるべきだが、形式的温存が続いてきた。しかも、困ったことに公立教員の人事権を持つ。質が悪い問題だ。
教育への理念も、役人としての倫理も、法的知識や社会的常識も持たない野田市教育委員会が、10歳の被害幼児を鬼畜の父親に売り渡した罪は重い。「謝罪会見」など笑止。あまりに悲惨な「戦後民主教育の遺構」の犠牲者だ。
県市町村に一律に設置する現行制度は、内容がなく一元的に形式化している。学校現場を守る能力はない。以前から指摘されている問題を政治は放置し続けた。10歳の女の子の死は刑法のみで処理される。むなしい限りだ。
恐怖と共に生きた女の子の短い人生に哀悼の祈りをささげたい。