一方、欧米メジャーや中東産油国は脱石油を宣言しだした。サウジアラビアもロイヤルダッチシェルも異口同音に「石油の時代は終わった」と。カーボンリスクが世界金融や企業業績の必須項目になり、脱炭素が国際標準となった世界は豹変している。
総務省統計を見るとこの数年間、日本の総自動車の実質燃費は改善されていない。ハイブリッドが売れているといっても総車両比に置き換えると微量だ。また、燃費改竄など企業の体質にも問題はあった。結果石油使用料は減っていない。私個人は半減したのだが。
おそらく、急激に日本にも変化が訪れる。外圧だ。脱炭素し自然エネルギーへ転換した企業には、海外からの投資も来るし、世界市場で活動する資格も与えられる。特に自動車産業は最大の市場が中国・インドとなる。古い反対勢力がいないだけに急激に電子化や電化は進む。成長を望む企業は迷う時間がない。
冒頭で述べた二強ですら、多角化に邁進するだろう。石油価格の高止まりは一時的な時間稼ぎに過ぎないからだ。戦後は終わり同時に20世紀も完全に幕を閉じる。
ただ残念なのは、黒船来航以来、近代日本は常に外圧だよりなのは情けない。半世紀以上生きてきて思う素朴な感想だ。