「質的転換」が必要なのは、まず先生たちでは?
文部科学省は、年度末に小中学校次期学習指導要領を告示した。
そこでは、激動する社会の中で、生き抜く資質・能力を育てるために「学びの質的転換」を図る。「主体的・対話的で深い学び/アクティブラーニング」を実現するとある。現行の内容を維持し、スクラップなしのビルド・ビルドだとか。
当塾も、アクティブラーニングの実践を追及してきた。質以前に講師2~3名で8~10名演習が限界に近い。実感だ。
現状の中学教員は、毎日12時間30分学校にいるとの報告書がある。土日ほぼ通勤するとの教員は、75%に及ぶとか。事実なら「ブラック職場」といえる。学校現場の疲弊は想像以上のようだ。
理念先行の文部科学省と管理先行の教育委員会により、現行内容を維持しながら「学びの質的転換」を実現しなくてはならない現場の先生方は、黙って従うのだろうか?
「アクティブラーニングを支持する先生は多い」とノー天気なアンケート結果がある。肯定するとしても、どう実現するかが問題ではないのか?
「主体的・対話的で深い学び」「現場の創意工夫」。文字は踊るが、書いた人間の自己満足で終わるなら、「ゆとり教育」と同じ失敗に帰結する。「ゆとり教育」も理念としては成立していたのだ。
まず現場の教員を現状の勤務形態から開放したうえで、「主体的・対話的で深い学び」「現場の創意工夫」を考える必要がある。