前橋地裁判決を評価 ! 原発事故の責任認定
18都道府県約1万2千人が争う集団訴訟の初判断が下された。従来国の政策として、一歩引いた形の判決が多かった裁判所から、踏み込んだ判決が出た。
原道子裁判長に敬意を表したい。
地震国日本の原子力発電事業を推進するうえで、東京電力は津波を予見できた。国は放置された対策の規制権限を行使すべきだった。などの骨子だ。
裁判員制度が導入され、一審で刑罰が重く評価されたのを、二審で従来通りの判例に戻す事例が続いている。辛い役務の上、努めて厳罰を科した裁判員は報われていない。
日本の司法は、いつからこんなに高慢になったのか。裁判所への不信が募っていた。
しかし、今回の判決は、従来の公害訴訟よりも踏み込んだものだ。原子力被害が持つ重大さに寄り添った、国・東電の責任回避を指弾する大岡裁きであった。
裁判長の訴訟指揮も明快で、強い指導力を持っていた。全国に先駆けた判決だ。
日本の司法は、まだまだ捨てたものではない。