北向きの部屋
我が国の民法。とりわけ家族法を近代化するうえで、貢献者は中川善之助東北大学名誉教授である。先生は女性の権利の確保に尽力され、近代民法の父、いや「母」といえる。
エッセイがあり、「北向きの部屋」と題されていた。
「自然科学に従事する者は、太陽の当たる南向きの部屋で事実と対峙するのが良い。しかし、社会科学に従事るものは、北向きの部屋で思索し、真実を求めなくてはならない。」以上のような趣旨だったと記憶する。
若い私は、瞬殺だった。北を憧れた。 悲しいくらい単純であった。
学生時代、日本商法の会社法法制化に尽力された著名な先生が講義で曰く。「好んで人の悲しみに接することを生業にする法曹を志望する者の気がしれない」これを聞いて憤慨した自分を思い出す。 悲しいくらい単純であった。
日本人の特性は、自然科学に向いている。
自然科学は、社会科学より重要な時代を迎えた。
私も歳をとった。
以上が、スコラこども塾の根っこにあります。