失敗の後が大事 子供に教える「コツ」
初等期のプログラミング教室も6年を迎えた。一度、山陽新聞カルチャープラザでも分教室を開いた。「事象を読む解く力」と「問題解決力」を育成できる、素晴らしいツールだと思う。
そこで、演習の際、気を付けることがある。「失敗の処理」だ。子供たちは大人と同様、うまくいかないことを隠したがる。実行してみて不都合が出ると、即座に席に戻ろうとする。この場合、修正の精度が上がらない。なぜなら、失敗の結果や原因を検証しきれていない場合が多いからだ。失敗の現場に執着していないから解決が遠のく。
まず失敗の現場に戻し、体で再現して検証する経験を積ませる。頭だけではだめだ。自分の仮説したアルゴリズムが不都合を起こす現場と対峙し、その原因を体感してもらう。この時間が重要だ。できない時間が思考力を高める。改善の精度も上がるし、アイデアも出る。自ずと観察眼も磨かれる。
失敗は最も貴重な情報だ。率先し失敗し、それに背を向けず集中対峙する。これがプログラミング的思考の母体となる。21世紀データ社会の基盤的素養と言える。ところがである。
日本郵政Gの副社長は、不適切営業問題に際して、総務省の事務次官である後輩から情報を仕入れて、監督官庁への対応を協議していたことが発覚した。次官は辞職したが本人は居座っている。他にも、古巣の経歴を誇示してNHK経営委員会に恫喝をかけた。また、同社社長はマスコミに進退を問われ、開き直ったそうだ。いずれも失敗から逃れるばかりで、解決能力を持たない。このような大人は、当塾のプログラミング教室では最劣等生となるだろう。21世紀の人材ではない。