シニアの塾講師が職場に咲く 最近の塾業界
首都圏の進学塾を中心にシニアの講師が活躍しているとの報道がある。喜ばしいことだ。
いろんな業界での経験を活かし、最後に地域社会に貢献したいというのが動機の大半を占めるのだろう。塾業界の給与水準は、他業界に比し高くはない。時間単価は高く見えるが、勤務が変則だ。以前のブラックバイトは論外にしても、通常だと「志」が必要となる。
商社や航空機会社で海外勤務経験のある人材や専門業界での研究開発など幅広い人材が塾に集い、こどもの成長を支援するのは国力の回復に有効だ。そもそも、教育業界は閉鎖的で、ガラパゴス化している。どんどん多様な人材が入り込んで、国際標準や社会標準に近づくことを期待する。
行政や教育委員会も「営利企業お断り」の看板を下げ、補助金だよりの学校だけでなく、私塾に広く扉を開き、活力を乞うべきだ。多様性こそ日本の教育に求められる。世界に尊敬された緒方貞子高等弁務官事務所代表の言葉でもある。イギリス外務省は、彼女を国連事務総長に強く推したが、日本の外務省が消極的だった。理由は残念ながら想像できる。