最後は瀬戸内海に帰りたい
子どものころ、夏は北木島だった。楠キャンプ場。浜と松の美しい景観だった。足の届かない所へ出ると、下には海藻の林があった。海藻は魚の産卵や稚魚の成育場であり、二酸化炭素の消費地でもある。「ブルーカーボン」と呼ぶらしい。
私たちの身の回りでは、冬はより寒く夏はより暑くなる。どんどん落差が拡大する。一方、北極海の海は暖かくなり、氷が解け深海への還流が出来なくなっている。酸素をふくんだ豊かな海水は、深海へと循環できなくなる。深海が豊かさを失い、死の海となる。
地球温暖化は、確実に進行している。
いつか、現役を退いたら船舶免許を取って、思い出の浜に海藻を移植する作業をしたい。車エビや夜光虫をもう一度見て死にたいものだ。最後に、地球と故郷と日本に恩返しをしたい。