あの日本人は 何処へ 後藤新平を思う
昨今ニュースでは、日本行政府の倫理が問われている。官僚の中の官僚 旧大蔵省が自殺者まで出す混乱を露呈した。こんな時、後藤新平を思う。
台湾総督府民政長官、満鉄初代総裁、そして関東大震災の折の帝都復興計画立案者としてアジアの近代化に貢献した日本人だ。
台湾での殖産興業や首都東京の青写真を描いた構想力。日清露三国の協調を夢想した理念。全てにおいて逸材であった。私の丁度100歳年上の日本人である。
100年間で日本人は変わってしまったのか?
太平洋戦争の終戦を迎えた日、司馬遼太郎は「なぜ日本人はこのような愚かな敗け方をしたのか?」と自らに問うた。
後藤新平の最後の言葉は印象に残る。
「よく聞け。金を残して死ぬ者は下、仕事を残して死ぬ者は中、人を残して死ぬ者は上」