改めて初心に 「Scientific literacy」科学の教養
アメリカが先行していたゲノム医療が日本でも本格化する。臓器別ではなく遺伝子の特性に依拠した治療薬の選定が始まる。中核拠点病院に岡山大学病院が選ばれた。旧帝大と慶応病院・国立がんセンターと並ぶ陣容が評価されたのだ。誇らしい。
一方、内閣府の革新技術プロジェクトで「チョコで若返り」研究に多額の資金を充てていたが、「チョコレートを食べた人だけのデータ」だったとか。厚生労働省の働き方改革のデータと一緒だ。本来比較に値しない比較や、良いとこどりの我田引水研究。ここに、科学の教養の片鱗すら見えない。
人類の英知を傾ける福島原発廃炉作業。工程表は40-50年とあるが、全く根拠がない。加えて汚染水や汚染土の中間貯蔵すら見通せていない。最終処分など検討すらできない状態だ。廃炉や賠償の予算も、当初11兆が既に21.5兆使い、70兆円の試算も出だした。世界の英知を結集して、人類の難題に取り組まなくてはならない。
21世紀に生きる子供たちに今、準備するものとは、「Scientific literacy」科学の教養であると。改めて思う。