世界中賃金が上がらない AIの余波
以前この欄でも取り上げたが、ついに3メガバンク揃って3.2万人分の仕事を削減する時が来た。三菱UFJ/みずほ/SMBCそろいぶみだ。AIを中核とした構造改革が進む。もともと、日本の金融界は隔絶した非生産性を有していたが、それにしても規模がでかい。
一方、ニューヨークの代名詞イエローキャブ。このタクシー利用者がライドシェアリングの利用者に総数で抜かれた。都市部での激変は現実のものとなった。これに自動運転が加わればタクシー会社と運転手は失業する。
従来の秩序の中で、レールに乗った労働者は、窮地に追いやられるリスクが拡大する。ネット業界でも、数万人の監視要員需要が起こっているが、これもAIに代価可能となる。
弁護士や公認会計士や事務職などは、高度なコンサルティングや企画能力が問われる。
次代に生きる子供たちに、基盤技術の激変に対する耐性と自律した観察・思考能力を求めることが急がれる。
介護で離職する層の拡大は、ドイツなど先進国でも指摘されており、社会保障と雇用の相関は世界の問題だ。福祉介護こそAIやロボット技術の活躍を期待したい。同時に少ない労働時間で多くの生産性を確保し、所得を拡大する政策を政治は目指さなくてはならない。
総選挙後の離合集散など、村の役員会でも話題にならないレベルの話だ。マスコミ報道も考え直さないと、新聞・テレビでさえ情報革命の中、置き去りにされるリスクを持っている。旧来の秩序に慢心していては、21世紀は生き残れない。