ロボット プログラミング 科学教育 岡山市

21世紀に生きる子供たちに伝えておくべきことは

公教育と明確に違った体験型学習(Active learning)を実現するのが私の願いです。未来の創り手となる子ども達に何を準備しなくてはならないのか。児童期の多様性を尊重し、Scientific literacy(科学の論理展開力)の育成を目指します。

博士たちの協演 岡山理科学館の一日

今日は朝から、岡山理科学館教務掛としての務めです。スコラこども塾は志を同じくする岡山理科学館「日曜理科研究室」を全面的に協賛支援しております。


10時45分からは、本年3月まで医科大学分子生物学教授であった濃野博士の授業です。原子構造の説明や周期表からはじまり、水とエタノールを対比した検証実験で、「物質の三体」を体感しました。気化した水蒸気の冷却過程で大気圧の影響を示す実験。大きな音を立て瞬時に潰れるアルミ缶に一同大きな歓声を上げ、目と記憶に刻みこみました。生徒との応答も、アクティブラーニングを実践してきた博士の本領を発揮する場です。お孫さんと事前演習をした実験の手際は鮮やかでした。
最後は、化石燃料の生成の歴史。太陽エネルギーの転換効率と化石燃料埋蔵量の限界。再生エネルギーの必要性を説く濃密な授業でした。幅広くこどもたちの感性を揺さぶる名授業でした。


13時30分からは東京大学で量子力学を修め、テラヘルツ領域で博士号を取った岡山理科学館館長上田博士の授業です。自身の国際的な研究経歴を紹介し、学業で修めるべきことが、その進むべき道によって異なることを語った後、上田博士と生徒の掛け合いが始まります。「次元とは?」「何次元まで考えられるか?」「宇宙は外から見たら?」「宇宙は他にも存在するのか?」生徒の質問は途絶えません。
そののち「回転する」をテーマに授業が始まりました。身近な回転するもの、宇宙レベルで回転するもの、微小世界で回転するもの。その回転を維持するメカニズムとは?博士の問いかけは続きます。生徒の声が次々と発せられ、授業は熱を帯びていきます。残像を利用した「ベンハムのコマ」。重心移動を遠心力とともに実証する「逆さゴマ」。ジャイロ効果を含む「地球ゴマ」。生徒たちの歓声は90分響き続きました。ジャイロの振動を体感する7名は、個々に体感を叫び声にして反応しました。いつも発表に消極的な子も、皆の期待の拍手を得て、「逆さ駒」の重心移動を観察発表しました。皆の脳のテンションは最高潮です。


昨日までの仕事で心労も募り、一週間の疲れが極限に来た今日日曜日。その疲れを一掃する充実の授業に敬意を感じる59歳でした。

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